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建築業を営む皆様へ

空気中に存在する放射性ラドンに十分ご注意下さい。

エアコンのある部屋で天井排気をするとラドンが濃縮し、ラドン吸引による肺の内部被曝量が福島第一原発周辺の帰宅困難地域の基準を超えます。放射線障害防止法に従うとその建物は立ち入り禁止になってしまいます。

この問題は簡単なリフォーム工事で解決でき、室内のラドン濃度を大幅に下げられます。

 

空気中には放射性のラドンが存在しています。このラドンは地球内部に存在するウランの崩壊によって発生したもので、地球が生まれてから45億年間ずっと湧き出し続けています。ラドンは周期律表で右端の列に入るヘリウムやアルゴンなどと同じ不活性ガスであり、他の原子と全く反応しません。このため吸着剤などは存在せず、フィルターで除去することもできません。ただ、ラドンの密度は空気の約7.5倍と重いため、密閉された空間ではラドンは下部に集中し上部にはラドンをほとんど含まない空気が集まります。これがラドン濃度をコントロールするほぼ唯一の方法です。

我々の周りには様々な放射線が存在します。病院での診断で使われるレントゲンや空港の危険物検査も含めて、放射線に当たるとある確率でがんになります。日本政府は広島長崎の原爆で被曝して生き延びた人々について被曝直後の行動を調査して1人1人の被曝量を推定しました。そしてその後の死亡年月日と死因を調べて、「1シーベルト被曝するとがんで死ぬ確率が5%増加する」と発表しました。

国連の中には放射線の影響に関する国連科学委員会United Nation Science Committee Effect on Atomic Radiationという組織があります。この組織は数年ごとに放射線の健康への影響に関する報告を発表しています。国連加盟国はこの報告を尊重する義務があります。UNSCEAR1990では先ほどの日本政府の被曝量とがん死亡率の関係についての発表を妥当なものだと判定し、50年過ごすと1シーベルト以上被曝する場所は立ち入り禁止区域にするように勧告しました。現在福島第一原発周辺に指定されている帰宅困難区域もこの基準に従っており、その中で1年間過ごすと0.1%の確率でがん死すると推定されています。

UNSCEARは2008年にも重要な報告を発表しました。肺がんの原因はアスベストなどの特殊な例を除いてタバコとラドンが同程度であり、ラドンによる肺がん死亡者は人口1億人あたり1年間で6,000人になるというものです。

ただし、これは室内のラドン濃度が屋外と同じ場合であり、室内のラドン濃度は気密性や空調方法によって大きく変化し、放射線被曝量もそれに応じて変化するとも指摘されています。

例えば2008年の新築建築物はエアコンの使用を想定して高い気密性を持っています。そのような部屋で空調を止めるとラドンは床付近に集中し、この部屋で1日の大部分を過ごした場合1億人あたりの肺がん死亡者は1年間で50,000人にもなります。これは先ほどの立ち入り禁止区域の基準の半分に相当します。適切な空調が不可欠です。

残念ながら日本の住宅メーカーや空調機器メーカーの中に放射線の専門家はほとんどいません。低いコストで高性能な建築物を追求する中でラドンによる被曝は全く考慮せれておらず、結果としてラドン被曝に関しては最悪の空調方法を普及させてしまいました。かつてクーラーが使われていた頃は冬の暖房は灯油ストーブやガスストーブが主流で、ある程度の換気量が確保されていました。エアコンが普及すると冬の暖房でも室内の空気を汚すことがないので、気密性が大幅に向上しました。換気は天井のほぼ同じ場所に吸気口と排気口を開けて、天井裏で吸気パイプと排気パイプを接触させて熱交換させます。この方法では天井付近のラドン濃度が外気より低い空気を排気し外気を吸気するので、室内のラドン濃度は上昇します。この上昇は排気と吸気のラドン濃度が一致するまで続きます。そして天井付近のラドン濃度が外気と同じになった時、床付近のラドン濃度は外気の25倍〜100倍にまで高まっています。このような部屋で1年間過ごすと肺がん死亡者は1億人あたり15万人〜60万人になっています。立ち入り禁止の基準を大幅に上回っています。

以上のように最近作られた一戸建て住宅、集合住宅の1・2階、事務所用建築物の1・2階、商業ビルの地下階の大部分は立ち入り禁止の基準を越えています。

対策は簡単です。排気口を床付近に開ければよいのです。弊社は本ホームページの中ででも対策を提案しています。室内の床付近のラドン濃度を外気と同程度にする方法、さらに外気の1/10程度にする方法、もっと進んで外気の1/100以下にする方法などがあります。

ラドンの危険性が広く周知されてくると空調方法のリフォーム依頼が多数寄せられるでしょう。建築業の皆様のほとんどの方は放射線に関する知識をあまりお持ちではないと思います。実は簡単なことです。弊社にご連絡いただければ、それぞれの建物の状況に適した効果的な空調方法を提案いたします。

詳しくは本ホームページだけでなくパンフレットにて解説も致しますので、ぜひお問い合わせ下さい。

千葉放射線科学株式会社 代表取締役社長 河合秀幸

〒263-0022 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 千葉大学 IMO PCRC 302号室

 

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