空気中のラドンが増えれば胃がんや大腸がんの発生確率も増加する
胃がんの原因はラドン222の崩壊生成物であるポロニウム218がご飯粒の表面に付着したことによるものであり、大腸がんの原因は飲料水に溶け込んだポロニウム218が何度かの崩壊を経て生じるポロニウム214であると解説してきましたが、その両者の大元を辿れば地球内部から湧き出てくるラドン222に行き着きます。
つまり食堂の空気内に存在しているラドン222の濃度が増えれば増えるほど飲食物に付着するポロニウム218の量もまた増加するため、胃がんや大腸がんのリスクも高まってしまいます。逆にラドン222の濃度を下げることが出来れば、それはそのままポロニウム218やポロニウム214の量を減らすことに繋がるのです。
医療の進歩によってがんの診断や治療が出来るようになりましたけれども、診断による被曝や外科手術による負担等を考えたら、がんにならないに越したことはありません。奇しくも肺がん予防のためのラドン濃度測定やラドン濃度を下げるという対策は、胃がん・大腸がん予防にも有効です。
ぜひ一度食卓上にも存在している、この目に見えない最も身近な放射性物質ラドンに意識を向けてみてください。