かつての日本の建物は障子や引き戸で区切られただけの柱構造をしていて気密性は高くありませんでした。クーラー(エアコン)が無くとも夏の暑さ対策として建物内を自然に空気が流れるようになっており、大きな窓をほぼ常に開けたまま、簾・よしずなど通気性の高い物を置いて区切った程度で床下や天井裏にも風が入り込んでいました。
このような構造の建物の場合はラドンが特定の場所に溜まることはなく、濃度の上昇もしません。天井付近でも床付近でもどこでも屋外とほぼ同じラドン濃度になることになります。そのためラドンから出るα線による被曝量も屋外と同等であり、生涯にわたってその空気を吸い続けたとしても肺がんの発生確率は1%程度に抑えられます。
かつての日本、特にクーラーが普及する1970年代以前の建物はラドンに対して安全と言えました。